3月の期末が近付いてますね。
3月末決算の企業は上場会社全体の約70%を占めるので、来週以降は3月末の配当狙いや優待取り、決算動向を見据えた売買がより一層活発化しそうですね。

さて今回は最近読んだ本のご紹介。

株式投資の未来

株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす
著者:ジェレミー・シーゲル氏

株システムトレードの専門書というわけではありません。

上記の本は株式投資(特に長期投資)においては、

「投資家リターンは、株式が配当を生むとき効果が増幅する」

という考え方を、配当再投資を行った場合の統計的なデータに基づいて見解が書かれた本になります。
(もちろん他にもいろいろ書かれていますが)

4本値のローソク足で描かれた株価チャートでは、配当は反映されておらず、またその時々におけるインフレ率も考慮されていません。
インフレ率を差し引いた後の株価の値上がり(キャピタルゲイン)と比較すると、配当(インカムゲイン)の再投資を繰り返した場合の効果は、長期投資におけるリターンの源泉として実はかなりの部分を占めることが分かりやすく書かれています。

株システムトレードは、株価の値動きやボラティリティからキャピタルゲインを狙っていく手法とも言えるので、直接的に投資手法としてどうこうというものではありませんが、様々な市場参加者(特に大口の投資家や機関投資家)がどのような狙いで株式を買ってくる、あるいは売ってくるのかといった背景を捉える意味で、非常に興味深い内容でした。

かつての2000年問題を睨んで起こった米国のインターネット&ハイテク・バブルについての考察も鋭く、今日のバイオ銘柄(?)やAI銘柄(?)、○○○○銘柄などのテーマ株が、バブルに当てはまるのか、当てはまっていくのか、はたまた当てはまらないものなのか、そんなことも色々考えさせられますね。

統計データに基づいて「株式投資リターン」を分析した希少な本だと個人的には思うので、「株式投資リターン」の特性をとらえておきたい方は、一度手に取ってみると新たな発見があったりして面白いかもしれません。